PAYMENT RISK LAB ── 止まる決済の記録と、止まらない決済の一次情報

オンラインオリパ ── 日本の法的地位(2026 年 10 月時点)

最終確認 2026-10-18
数字観測所が選んだオンラインオリパ 18 件のうち、公式サイトを読めた 16 件
16 件中 16 件古物商の許可番号を載せている 1 節
16 件中 16 件特定商取引法に基づく表記を置いている 5 節
16 件中 15 件返品・交換・キャンセル・返金のいずれかを受けない旨を書いている 5 節

この文書は、オンラインオリパに、どの法律がどう関わるかを、条文と当局の公表文書の引用で示す。ここでいうオンラインオリパは、オリジナルパック(2023 年 4 月 4 日の国会の質問での説明では、カードショップが「ユーザーから買い取ったカードを数枚まとめて独自の非公式カードパックとして売り出す」もので、「中身が分からない」)を、インターネットで売るものを指す。観測所は法律事務所ではない。ここに書くのは条文と当局の文書の引用と、それに基づく観測所の読みであり、読みは当局の回答ではない。個別の判断は専門家に確認してほしい。

先に全体を 3 行で。

  • ユーザーなどから買い取ったカードを仕入れて売る営業は、古物営業法で公安委員会の許可が要る営業に当たる、と観測所は読む。観測所が公式サイトを読めた 16 件は、どれも許可番号を載せている
  • パックの中身として当たるカードは、くじの代金を払って受け取る商品そのもので、正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば、景品の最高額・総額の規制は及ばない、と観測所は読む(消費者庁の Q&A の考え方による)。景品表示法が及ぶのは表示の側で、国会の答弁(2023 年 4 月 4 日)も表示についてだった。消費者庁の 2 つの Q&A に、キリ番・ラストワンを名指しで扱った設問は無い
  • オンラインオリパが刑法の賭博や富くじに当たるかを問う質問と政府の答えは、国会会議録(2026 年 7 月 24 日の会議まで)と質問主意書(第 211〜222 回国会の題名)の調べた範囲に無い。観測所はこの点について読みを示さない
法律ごとの要点

観測所の読みの付いた文は観測所の読みで、当局の回答ではない。印の無い文は、条文か、観測所が確かめた事実。〔 〕は本文の節。

運営会社に求められること読めた 16 件で見えたこと当局が答えていないこと
古物営業法
  • 古物を売買する営業には、公安委員会の許可が要る(3 条)。 〔1 節 条文〕
  • 古物商は、氏名または名称・許可をした公安委員会の名・許可証の番号を、自分のサイトに載せる(12 条 2 項)。インターネットで古物を見せて申込みを受ける古物商(特定古物商)には、従業者 5 人以下などの除外が無い(12 条 2 項・3 項)。 〔1 節 サイトの表示の決まり〕
  • 観測所の読み買い取ったカードをくじの形で売る営業は、許可が要る営業に当たる。当たりをサイトに載せて申込みを受ける運営会社は、特定古物商に当たる。 〔1 節 観測所の読み〕
  • 16 件すべてが、古物商の許可番号を載せている。 〔1 節 事業者の表示・6 節〕
  • うち 2 件は、観測所が読んだページに、公安委員会の名が無かった。決まりに足りているかは判断していない。 〔1 節〕
―
景品表示法
  • 商品の内容や取引条件を、実際より著しく優良・有利と示す表示は禁じられる(5 条 1 号・2 号)。違反には措置命令(7 条 1 項)と課徴金納付命令(8 条 1 項)の定めがある。 〔2 節 条文〕
  • 国会の答弁(2023 年 4 月 4 日・一般論として): レアカードが含まれているかのように表示しながら、実際には全く含まれていない場合などは「景品表示法に違反するおそれがある」。 〔2 節 当局の公表文書〕
  • 観測所の読み当たりの入り方を実際より著しく優良・有利と示す表示は、5 条の対象になる。当たるカードは、取引の本来の内容をなすと認められれば景品類に当たらず、景品の最高額・総額の制限(4 条)は及ばない。 〔2 節 観測所の読み〕
  • 消費者庁の措置命令・課徴金納付命令・確約計画の認定(2023〜2026 年度の 84 件)に、16 件の運営会社やサービスへの処分は、照らせた範囲に無かった。 〔7 節〕
  • 消費者庁の 2 つの Q&A に、オリパやオリジナルパックの名指しは無い。キリ番・ラストワンを名指しで扱った設問も無い。 〔2 節〕
  • 2023 年の答弁は表示(5 条)についてで、景品規制(4 条)には触れていない。 〔2 節〕
刑法(賭博と富くじ)
  • 賭博(185 条)、常習の賭博と賭博場の開張(186 条)、富くじの発売・取次ぎ・授受(187 条)は罰せられる。 〔3 節 条文〕
  • オンラインオリパがこれに当たるかについて、観測所は読みを示さない。 〔3 節〕
  • (16 件の個別ではなく、業種全体について)裁判所の裁判例検索と、国・自治体のサイトに絞った検索(2026 年 10 月 8 日)で、オンラインオリパの販売を争った裁判例と、販売を摘発したという警察の発表は、見た範囲に無かった。報道は調べていない。 〔7 節〕
  • オンラインオリパが賭博や富くじに当たるかを問う質問と政府の答えは、国会会議録(2026 年 7 月 24 日の会議まで)と質問主意書(第 211〜222 回国会の題名)の調べた範囲に無い。 〔3 節〕
資金決済法(前払式支払手段)
  • 自家型の前払式支払手段は、基準日(3 月 31 日と 9 月 30 日)の未使用残高が 1,000 万円を初めて超えた時に、届出が要る(5 条 1 項)。基準額を超える時は、未使用残高の 2 分の 1 以上の額の供託が要る(14 条 1 項)。 〔4 節 条文〕
  • 発行の日から 6 か月以内に限り使えるものには、この章の規定は適用されない(4 条 2 号)。 〔4 節 条文〕
  • 観測所の読みオンラインオリパのポイントのうち、金銭で買うものは前払式支払手段に当たる。 〔4 節 観測所の読み〕
  • 4 節で利用規約を引いた 2 件は、どちらもポイントの有効期限を取得日から 180 日としている。うち 1 件は、ポイントを前払式支払手段と書いている。 〔4 節 事業者の利用規約〕
  • 当たったカードをポイントに換える仕組みで付くポイントが前払式支払手段に当たるかを、金融庁の事務ガイドラインは扱っていない。 〔4 節〕
特定商取引法(通信販売)
  • 通信販売の広告に、販売価格、代金の支払の時期と方法、商品の引渡時期、申込みの撤回・解除に関する事項、事業者の名称・住所・電話番号などを表示する(11 条・施行規則 23 条)。 〔5 節 条文〕
  • 買った人は、引渡しを受けた日から数えて 8 日を経過するまで、申込みの撤回や契約の解除ができる。ただし、撤回等についての特約を広告に表示していた場合は別(15 条の 3 第 1 項)。電子消費者契約に当たる場合などは、申込みの操作をする画面にも表示していなければ、この例外は当てはまらない(施行規則 44 条)。 〔5 節 条文〕
  • 観測所の読みインターネットで申込みを受けて、くじの形でカードを売るオンラインオリパは、通信販売に当たる。 〔5 節 観測所の読み〕
  • 16 件すべてが、特定商取引法に基づく表記を置いている。 〔5 節 事業者の表示〕
  • 15 件は、返品・交換・キャンセル・返金のいずれかを受けない旨を書いている。残る 1 件は返品の項目が無く、クーリングオフが適用されるサービスではない旨を書いている。 〔5 節〕
  • 申込みの画面は見ていないので、画面の表示が足りているかは判断していない。 〔5 節〕
  • 特定商取引法に基づく処分(2021〜2026 年度の 531 件)に、16 件の運営会社やサービスへの処分は、照らせた範囲に無かった。 〔7 節〕
  • 特定商取引法をオンラインオリパに当てはめた当局の文書は、調べた範囲に無い。 〔5 節〕

1. 古物営業法

事実条文

「古物」は、一度使用された物品と、使用されない物品で使用のために取引されたものをいう(2 条 1 項)。古物を売買する営業(2 条 2 項 1 号)を営むには、都道府県の公安委員会の許可が要る(3 条)。ただし、古物を売るだけの営業と、自分が売った物をその相手から買い戻すだけの営業は、この号から除かれている(2 条 2 項 1 号)。許可を受けずに営んだ者は、3 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金に処される(31 条 1 号)。

事実サイトの表示の決まり

古物商は、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称と許可証の番号(法は「氏名等」と呼ぶ)を、自分のウェブサイトに載せなければならない(12 条 2 項・施行規則 13 条の 2 第 2 項)。常時使用する従業者が 5 人以下の場合と、管理するウェブサイトを持たない場合は除かれる(施行規則 13 条の 2 第 1 項)。ただし、取り扱う古物をインターネットで見せて取引の申込みを受ける古物商(法は「特定古物商」と呼ぶ・5 条 1 項 6 号・8 条の 2)には、この除外は無く、氏名等を、取り扱う古物に関する事項と共に載せなければならない(12 条 2 項・3 項)。12 条に違反した者は、10 万円以下の罰金に処される(35 条 2 号)。警察庁の「古物営業法等の解釈運用基準」(2024 年 8 月 14 日の通達)は、氏名等の表示は「明瞭かつ通常人が読める大きさとする必要がある」としている。同じ通達は、特定古物商の表示の場所について、取り扱う古物を載せた個々のページが原則だが、トップページに載せることや、表示のあるページへのリンク(「法の規定に基づく表示を行っているページへのリンクであることが分かるものに限る」)をトップページに置くことも認められる、としている。

事実事業者の表示

6 節の 18 件のうち、2026 年 10 月 7 日に公式サイトを読めた 16 件は、どれも特定商取引法に基づく表記などに古物商の許可番号を載せている。このうち、どっかん!トレカとペンギンガチャは、2026 年 10 月 7 日に観測所が読んだ特定商取引法に基づく表記のページに、許可番号はあるが、許可をした公安委員会の名は無かった。ポケパ365 の利用規約は、獲得したカードの発送申請か「ポイント還元(当社による買取り)」のどちらかを初めて行う際に、「古物営業法および青少年保護の観点から」本人確認を求める。

観測所の読み

ユーザーなどから買い取ったカードを仕入れて、くじの形で売る営業は、古物を売買する営業(2 条 2 項 1 号)に当たり、公安委員会の許可が要る、と観測所は読む。古物商の許可を受けて、取り扱う古物を当たりとしてサイトに載せ、その申込みをインターネットで受ける運営会社は、特定古物商に当たり、従業者の数にかかわらず、氏名等をサイトに載せる決まり(12 条 2 項・3 項)の対象になる、と観測所は読む。観測所が読んだのは各社の特定商取引法に基づく表記で、サイトのすべてのページではないので、上の 2 件の表示がこの決まりに足りているかは判断しない。

2. 景品表示法

事実条文

「景品類」は、顧客を誘引する手段として、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品・役務の取引に付随して提供する経済上の利益のうち、内閣総理大臣が指定するものをいう(2 条 3 項)。内閣総理大臣は、景品類の最高額・総額などを制限できる(4 条)。商品の内容や取引条件を実際より著しく優良・有利と示す表示で、「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」は禁じられる(5 条 1 号・2 号)。違反には措置命令(7 条 1 項)と課徴金納付命令(8 条 1 項)の定めがあり、著しく優良・有利と誤認させるような表示をした者は 100 万円以下の罰金に処される(48 条)。

事実当局の公表文書

消費者庁の「景品に関するQ&A」は、500 円の有料くじについて、賞品は「賞品をもらえるくじに500円支払って提供されたと考えられることから、これが、正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば、景品規制の対象とはなりません」と答えている(Q25)。根拠に挙げる運用基準は、取引の本来の内容をなす提供の例として「宝くじの当せん金、パチンコの景品」を示している(景品類等の指定の告示の運用基準 4(4))。消費者庁の「インターネット上の取引と「カード合わせ」に関するQ&A」は、オンラインゲームの有料ガチャで得られるアイテムは「一般消費者と事業者との間の取引の対象そのもの」で景品類に当たらない、としている(Q16)。同じ Q&A は「景品表示法は、消費者の射幸心をあおる行為それ自体を規制するものではありません」と書く(Q12)。

国会では 2023 年 4 月 4 日の衆議院 消費者問題に関する特別委員会で、オリジナルパックが取り上げられた。消費者庁審議官は「一般論としてになりますけれども」と前置きしたうえで、「百口に一口はレアカードが含まれているかのように表示していながら、実際にはレアカードが全く含まれていないといったようなケース」などは「景品表示法に違反するおそれがある」と答えた。内閣府副大臣は、トレーディングカードの販売について「消費者生活相談の状況を始め、動向をしっかりと注視してまいりたい」と答えた。

観測所の読み

ここでの読みは、パックの中身として当たるカードに限る。オンラインオリパでパックの中身として当たるカードは、くじの代金を払って受け取る商品そのもので、Q25 の有料くじの賞品や Q16 の有料ガチャのアイテムと同じ形をしている。正常な商慣習に照らして取引の本来の内容をなすと認められれば、景品類に当たらず、景品類の最高額・総額の制限(4 条)は及ばない、と観測所は読む。景品表示法が及ぶのは表示の側で、当たりの入り方を実際より著しく優良・有利と示す表示は 5 条の対象になる。2023 年の答弁が挙げた例も、この表示の型だった。

当局が答えていないこと

「景品に関するQ&A」(目次と 6 つの分類の、計 7 ページ)と「インターネット上の取引と「カード合わせ」に関するQ&A」に、オリパやオリジナルパックの名指しは無い。DOPA!オリパの利用規約は「悪質なキリ番やラストワン狙いのみのご利用」を利用を止める理由に挙げているが、2 つの Q&A に、キリ番・ラストワンを名指しで扱った設問は無い(「キリ番」「ラストワン」の語は 8 ページのどこにも無い)。2023 年の答弁は表示(5 条)についてで、景品規制(4 条)には触れていない。消費者庁の「景品表示法関連報道発表資料」の一覧(2023〜2026 年度)に、題名に「オリパ」「トレーディングカード」の語を含むものは無い。消費者庁のデジタル取引・特定商取引法等検討会の中間取りまとめ(2026 年 9 月 10 日・本文と参考資料集)と、消費者庁長官の記者会見要旨(2026 年度の 23 回・10 月 1 日まで)にも、「オリパ」「オリジナルパック」「トレーディングカード」「トレカ」の語は無い。

3. 刑法(賭博と富くじ)

事実条文

賭博をした者は 50 万円以下の罰金または科料に処される。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは罰しない(185 条)。常習の賭博と賭博場の開張(186 条)、富くじの発売・取次ぎ・授受(187 条)も罰せられる。政府は 2018 年 2 月 20 日の答弁書で、185 条の「賭博」は「偶然の勝負に関し財物の得喪を争うことをいうと解されている」と答えている。

当局が答えていないこと

オンラインオリパが 185 条の賭博や 187 条の富くじに当たるかを問う質問と、それへの政府の答えは、国会会議録(国会会議録検索システムに入っている 2026 年 7 月 24 日の会議まで・「オリジナルパック」「オリパ」「トレーディングカード」で検索)に無い。第 211〜222 回国会の質問主意書には、題名に「オリパ」「オリジナルパック」「トレーディングカード」「トレカ」を含むものが無い。会議録で「オリジナルパック」を含む発言は、同じ範囲で 2023 年 4 月 4 日の委員会の 1 件だけだった。この日の委員会には警察庁の審議官も政府参考人として出席していたが、オリジナルパックについての質問は消費者庁に向けられ、警察庁はこれについて答弁していない。

観測所の読み

観測所はこの点について読みを示さない。185 条と 187 条をオンラインオリパに当てはめた当局の文書が、上に書いた範囲に無いためだ。

4. 資金決済法(前払式支払手段)

事実条文

金額に応じた対価を得て発行され、発行者などから物品などを買う・借りる時や、役務(サービス)の提供を受ける時に、その代価の支払いに使えるものは「前払式支払手段」に当たる(3 条 1 項 1 号)。発行者(政令で定める密接な関係のある者を含む)から物品などを買う・借りる時や役務の提供を受ける時に限って使えるものは「自家型」(3 条 4 項)で、基準日(3 月 31 日と 9 月 30 日・3 条 2 項)の未使用残高が基準額の 1,000 万円(施行令 6 条)を初めて超えた時に届出が要る(5 条 1 項)。基準額を超える時は、未使用残高の 2 分の 1 以上の額の供託が要る(14 条 1 項)。発行の日から 6 か月以内に限り使えるものには、この章の規定は適用されない(4 条 2 号・施行令 4 条 2 項)。

事実事業者の利用規約

トレカレインボーの利用規約は、ポイントを「前払式支払手段(資金決済法第3条第1項第1号)」とし、有効期間を取得日から 180 日とする。DOPA!オリパの利用規約は、ポイントを「前払式の数値」とし、金銭で買う「有償ポイント」と、「ガチャ結果の還元」などで「金銭の対価なく」付与する「無償ポイント」に分け、有効期限を取得日から 180 日とする。同じ規約は、獲得したカードを 3 日のうちに発送を頼まなければ「自動的にポイントに変換される」とする。

観測所の読み

オンラインオリパのポイントのうち、金銭で買うものは前払式支払手段(3 条 1 項 1 号)に当たる、と観測所は読む。発行の日から 6 か月以内に限り使えるものはこの章の規定の外にあり、それより長く使えるものは、自家型なら、未使用残高が基準額を超えると届出(5 条 1 項)と供託(14 条 1 項)の対象になる。

当局が答えていないこと

金融庁の事務ガイドライン(第三分冊 5 前払式支払手段発行者関係)は、当たったカードをポイントに換える仕組みで付けるポイントが前払式支払手段に当たるか(カードの引き渡しが 3 条 1 項 1 号の「対価」に当たるか)を扱っていない。このガイドラインに「くじ」「抽選」「ガチャ」の語は出てこず、「対価」の語は無償で発行した分の扱い(Ⅰ-2-1 ⑶)にだけ出てくる。

5. 特定商取引法(通信販売)

事実条文

販売業者が郵便等(電話機や「情報処理の用に供する機器を利用する方法」などを含む・施行規則 2 条)で売買契約の申込みを受けて行う商品の販売は「通信販売」に当たる(2 条 2 項)。通信販売の販売条件について広告をするときは、販売価格(送料が含まれない場合は送料も)、代金の支払の時期と方法、商品の引渡時期、申込みの撤回または解除に関する事項などを表示しなければならない(11 条)。施行規則は、表示する事項に、販売業者の氏名または名称・住所・電話番号と、法人が電子情報処理組織を使う方法で広告をする場合の代表者または通信販売の業務の責任者の氏名などを加えている(施行規則 23 条)。通信販売で商品を買った人は、引渡しを受けた日から数えて 8 日を経過するまで、申込みの撤回や契約の解除ができる(15 条の 3 第 1 項)。ただし、販売業者が撤回等についての特約を広告に表示していた場合は、この限りでない(15 条の 3 第 1 項)。電子消費者契約に当たる場合などは、特約を広告に表示したうえで、申込みの操作をする画面の見やすい箇所などにも表示していなければ、このただし書は当てはまらない(15 条の 3 第 1 項ただし書・施行規則 44 条)。違反には、主務大臣による指示(14 条)と業務の停止の命令(15 条)の定めがある。

事実事業者の表示

6 節の 16 件は、どれも特定商取引法に基づく表記(アドブレイヴは画面の中の「特定商取引法表示」)を置いている。そのうち 15 件の表記は、返品・交換・キャンセル・返金のいずれかについて、受けない旨を書いている。ペンギンガチャの表記には返品についての項目が無く、「特定商取引法に規定されているクーリングオフが適用されるサービスではありません」と書いている。オリくじとポケパ365 の表記は、どちらも「本サービスは通信販売に該当するため」と書き、クーリング・オフが適用されないとしている。

観測所の読み

インターネットで申込みを受けて、くじの形でカードを売るオンラインオリパは、通信販売(2 条 2 項)に当たり、広告に 11 条の事項を表示する決まりの対象になる、と観測所は読む。観測所は各社の申込みの画面を見ていないので、申込みの画面に分量と 11 条 1〜5 号の事項を表示する義務(12 条の 6 第 1 項)と、特約の表示(施行規則 44 条)が、その画面で足りているかは判断しない。

当局が答えていないこと

特定商取引法をオンラインオリパに当てはめた当局の文書は、調べた範囲(2 節に書いた消費者庁の Q&A・検討会の中間取りまとめ・長官の記者会見と、7 節の処分の一覧)に無い。

6. 観測所が読んだ事業者(18 件)

選び方。 対象は、2026 年 10 月 2 日に検索語「オンラインオリパ おすすめ」と「オリパ ランキング」で検索し、2 つの結果を順位の高い順に交互に見て、比較記事に当たる最初の 3 本に載ったサービス(重複を除いて 26 件)だ。載った記事の本数が多い順(同じ本数なら記事の中の順位の合計が小さい順、それも同じなら記事 1・2・3 の順で先に出たもの)に並べた上位 20 件から、10 月 6 日に公式サイトのアドレス(ドメイン名)が見つからず、つながらなかった 1 件(Dオリパ)と、別の名前のサービスへ転送された 1 件(スパークオリパ)を除いた。比較記事は対象を選ぶためだけに使い、表の中身は各社の公式サイトから読んだ。検索は米国向けの検索エンジンで行ったので、日本から検索した時と順位が違うことがある。

記録にするもの。 この業種で観測所が記録にするのは、カード会社や決済代行など決済の側が止めた事象と、当局の処分などの規制の事象だけだ。サービスの終了、未発送、返金のトラブルは記録にしない。

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サービス 運営会社 古物商の許可の表示(2026 年 10 月 7 日)
日本トレカセンター 株式会社日本トレカセンター 東京都公安委員会 第305502319040号
クローブオリパ 株式会社トラストハブ 北海道公安委員会 第123010000972号
オリパワン 公式サイトを読めなかった(サイトが観測所の取得を拒んだ) ―
DOPA!オリパ 株式会社sinsa 神奈川県公安委員会 第452750022008
エクストレカ 株式会社ミライラボラトリー 神奈川県公安委員会 第451460010093号
オリくじ 株式会社H&F 富山県公安委員会 第501230008635号
どっかん!トレカ マーキュリー株式会社 301112421548(特定商取引法の表記に公安委員会の名なし)
ペンギンガチャ 株式会社Lisbe(リスべ) 第62112R052153号(特定商取引法の表記に公安委員会の名なし)
ポケットクロス 公式サイトを読めなかった(サイトが観測所の取得を拒んだ) ―
アイリストレカ 株式会社crafty 東京都公安委員会 第501030007417号
トレカレインボー 株式会社RightPeace 宮城県公安委員会 第221060001046号
ポケパ365 株式会社MIKKE 東京都公安委員会 第305512515162号
日本玩具センターオンライン 合同会社Cloud1 福岡県公安委員会 第901162510060号
第一カード商会 株式会社シュガー 東京都公安委員会 第306602522102号
アドブレイヴ 株式会社山王商会 大阪府公安委員会 第621120192035号
TORIPA 株式会社ネクステージ 大阪府公安委員会 第62112R032110号
magi 株式会社ジラフ 東京都公安委員会 第303311606477号
アドアド 株式会社ADVANCE 神奈川県公安委員会 第452530012581号

並びは選び方の順位のとおり。許可の表示は、各社の特定商取引法に基づく表記(アドブレイヴは画面の中の表示)から、公安委員会の名と許可番号を「◯◯公安委員会 第N号」の形に並べ直して載せた。「古物商」「許可」「営業許可」「許可証」「許可番号」などの語と、表示の中に一緒に書かれた社名は省いた。番号が公安委員会の名より先に書かれているもの(DOPA!オリパ・アイリストレカ・アドブレイヴ)は順を入れ替えた。全角の数字は半角にし、公安委員会の名と番号の間は空白 1 つにした。番号の前の「第」と後ろの「号」は表記にあるとおりで、無いものは足していない。運営会社は、全角の英字(アイリストレカ)を半角にし、社名の中の空白(日本トレカセンター・アドブレイヴ)を詰めた。ポケパ365 の運営会社は 2026 年 10 月 18 日の表記による(10 月 7 日の表記は三河デザイン合同会社。許可番号は同じ)。

7. 処分の照合と、摘発・裁判例を調べた範囲

処分の照合。 2026 年 10 月 8 日に、6 節の 16 件の運営会社の社名とサービス名で、次の公表を照らした。社名を照らせた範囲に、16 件の運営会社やサービスへの処分は無かった(照らせなかったものは下に書いた)。「オリパ」「オリジナルパック」「トレーディングカード」「トレカ」の語も無かった。

  • 消費者庁の「特定商取引法ガイド」の執行状況(国と都道府県の特定商取引法に基づく処分・2021〜2026 年度の 531 件)。社名に「マーキュリー」を含む処分が 2 件(2024 年 10 月 31 日・消費者庁・同じ事業者への業務停止命令と指示)あったが、処分を受けた事業者は、社名の形(株式会社マーキュリー)と本店の所在地(東京都渋谷区)が、どっかん!トレカの運営会社(マーキュリー株式会社・特定商取引法に基づく表記の住所は東京都港区)と違う。2026 年 10 月 12 日に国税庁の法人番号公表サイトで照らすと、処分を受けた事業者の法人番号(消費者庁の発表の資料にある 9010601059005)と、名称がマーキュリー株式会社で、本店の所在地の履歴に特定商取引法に基づく表記と同じ住所がある法人の法人番号(9010401184432)は違った。観測所は、社名の形・本店の所在地・法人番号が違うので別の事業者と読み、照合の結果に含めなかった
  • 消費者庁の「景品表示法関連報道発表資料」(2023〜2026 年度の一覧の、措置命令・課徴金納付命令・確約計画の認定の 84 件)。題名に社名の無い 13 件は、発表の資料(PDF)も読んだ(照らせなかったものは下に書いた)
  • 消費者庁の「景品表示法に基づく法的措置件数の推移及び措置事件の概要」(2026 年 8 月 31 日現在)の、国と都道府県等の事件の概要(2025 年 9 月 1 日〜2026 年 8 月 31 日)
  • 消費者庁の財産分野の注意喚起(消費者安全法に基づくもの)の一覧(2021〜2026 年度)

照らしていないものは、古物営業法に基づく公安委員会の処分(まとめて公表した一覧を見つけられなかった)、2021 年 3 月以前の特定商取引法の処分、2023 年 3 月以前の消費者庁の景品表示法の措置命令・課徴金納付命令・確約計画の認定、2025 年 8 月以前の都道府県の景品表示法の措置命令、都道府県の条例に基づく処分だ。2023〜2026 年度の景品表示法の発表のうち、空気清浄効果等を標ぼうする商品の製造販売業者 2 社への措置命令(2023 年 12 月 22 日の発表。発表のページに社名が無く、資料の PDF の文字を機械で読み取れなかった)と、「飯田グループホールディングス株式会社ほか4社」への措置命令の、題名に名の無い 4 社(資料を取っていない)も照らせていない。公式サイトを読めなかったオリパワンとポケットクロスは、運営会社が分からないので照らしていない。ポケパ365 は、2026 年 10 月 8 日の照合の時点では運営が三河デザイン合同会社で、その社名で照らした。2026 年 10 月 18 日の表記の株式会社MIKKEは照らしていない。

摘発と裁判例を調べた範囲。 2026 年 10 月 8 日に、次の 2 つを調べた。国会会議録と質問主意書は 3 節に書いたとおり。報道は調べていない。

  • 裁判所の「裁判例検索」の全文検索で、「オリパ」「オリジナルパック」「トレーディングカード」「トレカ」を 1 語ずつ検索した。「オリジナルパック」と「トレカ」は該当が無かった。「オリパ」は 3 件、「トレーディングカード」は 9 件当たったが、事件名と分野は独占禁止法違反・窃盗・横領・商標・著作権・特許・不正競争・肖像権で、オンラインオリパの販売を争った裁判例は、事件名を見た範囲に無かった。裁判所は、このシステムにすべての判決等が載っているわけではないとしている
  • 国の機関と自治体のサイト(go.jp・lg.jp)に絞ったウェブ検索で、「オリパ 賭博 逮捕 警察」と「オリパ 古物営業法違反 検挙 トレーディングカード」を調べた。どちらも、結果の上位 10 件の題とアドレスを見た範囲に、オンラインオリパの販売を摘発したという警察の発表は無かった

出典

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最終確認 2026-10-18(ポケパ365 の特定商取引法に基づく表記)。7 節の法人番号の照合は 2026-10-12、それ以外の照合と取得は 2026-10-08 まで。